タイムトラベラー・キス
「本当にきれいになったね。同窓会の中でも一際輝いていたよ。そのワンピースもかわいいけど胸元が開きすぎてるね。……本当は誘惑してるんじゃないの?」
「そ、そんなつもりない!」
カッとなって、思わず強い口調で反論してしまう。
でも、野々村が選んでくれた服のことをそんな風に言われて……許せなかった。
「でも色っぽくって、俺は誘惑されたよ……?ねぇ、雫ちゃん。さっき俺たちが付き合い続けても何も変わらないと思うって言ってたけど……本当にそうかな。実際付き合ってみないと分からないんじゃない?」
「えっ?な、何言ってるの?私はもう婚約してるんだよ?」
「結婚してないから大丈夫だよ」
私の毛先を弄んでいた彼の手は、徐々に私の顔に近づき、頬を包み込む。
竜見くんの整った顔が、少しずつ近づいてくる。
この、少し色気を帯びた、普段は見せないその表情を一度見たことがある。
……映画館でキスされたときだ。
「そ、そんなつもりない!」
カッとなって、思わず強い口調で反論してしまう。
でも、野々村が選んでくれた服のことをそんな風に言われて……許せなかった。
「でも色っぽくって、俺は誘惑されたよ……?ねぇ、雫ちゃん。さっき俺たちが付き合い続けても何も変わらないと思うって言ってたけど……本当にそうかな。実際付き合ってみないと分からないんじゃない?」
「えっ?な、何言ってるの?私はもう婚約してるんだよ?」
「結婚してないから大丈夫だよ」
私の毛先を弄んでいた彼の手は、徐々に私の顔に近づき、頬を包み込む。
竜見くんの整った顔が、少しずつ近づいてくる。
この、少し色気を帯びた、普段は見せないその表情を一度見たことがある。
……映画館でキスされたときだ。