タイムトラベラー・キス
「ダメ、竜見くんやめて……」
身体に触れている彼の手を精一杯の力で振り払う。
けれど、彼はそれ以上の力で私の両手首を掴み、外側に押し付ける。
「今ならもっと、うまく付き合えると思うよ?ねぇ、浮気でもいいから……。それに……君が最初に好きになったのは、俺でしょ?」
身体が熱い。彼につかまれた手首が熱い。
心が今にも爆発してしまいそう。
確かにそうだ、私の好きな人は竜見くんだった。初めて手をつないだのも、キスをしたのも、全部竜見くん。
17歳の私の毎日は、彼に恋しているから色鮮やかに見えていた。
その彼が、27歳になった彼が、私を求めている。
女性不信だったという彼が、私ともう一度付き合いたいと言っている。
嬉しくない、と言えば嘘になる。
ときめかないはずがない。
”俺は雫を……雫と一緒に過ごしてきた時間を、信じているから”
ふと野々村の声が頭の中に流れてきた。
身体に触れている彼の手を精一杯の力で振り払う。
けれど、彼はそれ以上の力で私の両手首を掴み、外側に押し付ける。
「今ならもっと、うまく付き合えると思うよ?ねぇ、浮気でもいいから……。それに……君が最初に好きになったのは、俺でしょ?」
身体が熱い。彼につかまれた手首が熱い。
心が今にも爆発してしまいそう。
確かにそうだ、私の好きな人は竜見くんだった。初めて手をつないだのも、キスをしたのも、全部竜見くん。
17歳の私の毎日は、彼に恋しているから色鮮やかに見えていた。
その彼が、27歳になった彼が、私を求めている。
女性不信だったという彼が、私ともう一度付き合いたいと言っている。
嬉しくない、と言えば嘘になる。
ときめかないはずがない。
”俺は雫を……雫と一緒に過ごしてきた時間を、信じているから”
ふと野々村の声が頭の中に流れてきた。