タイムトラベラー・キス
一瞬も疑うことなく、私をまっすぐに見つめる瞳が忘れられない。
自分の気持ちを抑えて、私のお願いを心よく受け入れてくれた。
本当は同窓会に行ってほしくないのに、服まで一緒に選んでくれた。
どんな時だって、私のことを想ってくれて。
ぶっきらぼうな言葉の裏には、愛情が隠されていて。
一緒に過ごしてきた1秒1秒がとても幸せで、尊くて。
いつだって彼は……私のことだけ考えてくれている。
この未来で一緒に過ごしてきた時間が一瞬にして思い出されて、温かい涙があふれてきた。
そして……
「私は……雪のことを愛しているから……!もう触らないで!」
こんな状況になって、私は27歳の雪を愛していることを自覚した。
理子に「27歳の雫の生活を変えないように」って言われたからじゃない。
27歳の私のためなんかじゃない。
私が……心から、あの人のことをもう愛していたんだ。