タイムトラベラー・キス

「うーん、じゃあ……俺の家でも来る?」


「へっ?!」


まさかの提案に動揺する27歳。
いやまさか、高校生同士の付き合いで、付き合って1ヶ月でまさか手を出されることは無いと思うけど……。
可能性がないわけではない。


本来だったら家は行かないほうがいいと思うけど、10年前の私ならどう行動したのか、そこが一番重要なのだ。
”過去の出来事を変えてはいけない”というルールは絶対であり、もし過去の私が彼の部屋に行ったのだったら、その通りにしないといけない。


ただ……竜見くんとの付き合いって、全然覚えていないんだよね……。


「……もしかして、警戒してる?」


「え、いや……そんなことは無いけど……」


「大丈夫だよ、変なことはしないから。ね?」


「う、うん」


にっこりと優しく笑う彼の顔を見たら、とても行かないだなんて言えなかった。

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