タイムトラベラー・キス
「ここが俺の部屋だよ。クッションの上にでも座っててね。飲み物とか持ってくるよ~」

「ありがとう」


竜見くんの部屋はモノトーンの家具で統一されていて、物が少なく整理されているという印象だった。
よくドラマとかマンガで見るけど、エロ本はベッドの下に隠してあったりするのだろうか。

クッションに座り、ベッドの下をのぞこうと体を屈めようとしたところで竜見くんが戻ってきた。
慌てて姿勢をもとに戻す。


「オレンジジュースと焼き菓子しかなかったよー」


テーブルの上にはジュースが注がれたグラス2個と、マドレーヌやクッキーなどのお菓子が置かれた。



「どうもありがとう!」


「全然、遠慮せず食べてね」


竜見くんも私の横にあったクッションの上に座った。
二人の距離は映画館の席ほどの距離で、若干の緊張を覚える。


「いただきます!」


緊張をごまかしたかったのか、勢いよくマドレーヌを掴みとり口いっぱいに頬張った。
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