タイムトラベラー・キス
「このページを訳してこいって言われてるんだけど、このあたりが分からないんだよね」

「たぶんここは、この文法を活用すればいいと思うよ」


竜見くんの質問には、ところどころ教科書で確認をしながらも、なんとか答えることが出来た。
彼は本当に英語が苦手らしく、簡単なところもよく分かっていないみたい。



「他の教科は得意なんだけどなー」


って、ちょっと恥ずかしそうにしている竜見くんがまた可愛く思えた。
身体は17歳だけど、心は27歳のアラサー女。
もう高校生の男子は可愛いとしか思えなくなっちゃったのかな。


……1時間ほど経ったところで、なんとか宿題を片付けることが出来た。


「ふー、雫ちゃんのおかげて終わったよ、どうもありがとう」


「いえいえ、とんでもない。お役に立てて何よりです」


「なんか社会人みたいな返しだね」


竜見くんは笑っていたけど、私は内心ドキっとした。
いけないいけない。
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