タイムトラベラー・キス
今日は学級委員やその他もろもろの委員を決めたり、クラスの交流を深めるようなコミュニケーションの時間があった。

特にどれも大した時間ではないけど、久しぶりのただ座って話を聞くだけの時間が苦痛で仕方ない。
きっと高校生の頃は集中力も高かったんだろうけど、今では10分も持たないよ。


……なんとか午前中の予定が終わり、お昼の休憩時間に突入する。
一人だし、教室で食べててもつまらないから移動しようかな。
お母さんの手作り弁当が入ったカバンを持ち、人が少なそうな屋上へと向かった。


……確か、野々村くんと付き合ってから、時々屋上で一緒にお弁当を食べていたな。
なぜかほとんど人がいなくて、青空と開放感のある空間を二人占め出来た気がする。

どうやって付き合ったか覚えていないのに、付き合った後のことは覚えているなんて不思議。


屋上に出れる鉄の扉をゆっくり開けると、端のほうで話している男女の姿が目に入った。

……もしかして私、お邪魔かな。







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