タイムトラベラー・キス
女の子のほうは感情的になっているのか、声が大きくなっているためここまで声が届いてしまう。
その一方で野々村くんの声はあまり聞こえない。どんな会話をしているのか、非常に気になる。
……まさか、彼が告白されている現場を見るとは思わなかった。
ちょっと嫉妬はするけど、でも将来のことが分かっているから余裕もある。
不思議な気持ち。
「分かった……聞いてくれてありがとう」
数分後、女の子は駆け足で野々村から離れ、あっという間に屋上から出て行ってしまった。
……確かにその子の頬は涙で濡れていた。その涙で、野々村くんの出した答えが分かってしまう。
女の子がいなくなり、屋上には私と野々村くんの二人きり。
ふと彼のほうに目をやると、彼も私に気が付いたようで、こちらをじっと見ていた。
……気まずい。
顔を反らして、何事もなかったかのようにもう一度から揚げをつまみ、口に運ぶ。
お母さんのから揚げはしょうゆベースでとってもおいしい。
その一方で野々村くんの声はあまり聞こえない。どんな会話をしているのか、非常に気になる。
……まさか、彼が告白されている現場を見るとは思わなかった。
ちょっと嫉妬はするけど、でも将来のことが分かっているから余裕もある。
不思議な気持ち。
「分かった……聞いてくれてありがとう」
数分後、女の子は駆け足で野々村から離れ、あっという間に屋上から出て行ってしまった。
……確かにその子の頬は涙で濡れていた。その涙で、野々村くんの出した答えが分かってしまう。
女の子がいなくなり、屋上には私と野々村くんの二人きり。
ふと彼のほうに目をやると、彼も私に気が付いたようで、こちらをじっと見ていた。
……気まずい。
顔を反らして、何事もなかったかのようにもう一度から揚げをつまみ、口に運ぶ。
お母さんのから揚げはしょうゆベースでとってもおいしい。