タイムトラベラー・キス
「竜見くん、お待たせ」

「俺もいま来たところだよ。それにしても、屋上は気持ちがいいね」


確かに、屋上で感じる風は特別に心地よい気がする。空が近くて空気もきれいなのだろうか。


「そうだね、天気もいいし。それで、どうして屋上集合なの?」


「それは、ここは学校の中で比較的人気の少ない場所だからだよ。デートにぴったりでしょ?」


「そうだね……」


人気の少ない場所に呼ばれた。またあの”練習”をするのだろうか。
今度は何をさせる気なのだろう。


「立ちっぱなしも疲れるから、座れる場所に移動しようか」


竜見くんは私を、コンクリートの出っ張りまで連れて行き、座らせた。
ちょうど日影になる部分で、屋上に誰かが来ても気づかれない死角の場所だった。



「まずは、前回の復習からね?」


そう言って、竜見くんは急に私の唇を奪う。最初から舌を入れられ、無理やり絡められる。







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