タイムトラベラー・キス
「……今日はここまでにしといてあげるよ。でも、そのうち……たぶん触ってほしくなると思うよ?」
竜見くんはそう言いながら、また右耳にキスをした。
されるがままの自分がまた恥ずかしくなってくる。
……そのあと、しばらく休憩した後、学校から出て一緒に駅まで帰った。
竜見くんが帰り際に言った、
「今度の練習はもう少し過激になるかもしれないよ」
という言葉が、いつまでも頭の中から離れなかった。
”練習”と言って、少しずつ、でも確実に私の体を侵食していく。
次はもしかして、胸を触ろうとしてきているのだろうか。
このままでいいのだろうか、という想いとは裏腹に、身体は竜見くんのキスに反応してしまう。
……もしかして、もっとしてほしいと思っている?私。
欲求不満になっていまっているのだろうか。
――”少し過激になるかもしれない”と言われた練習の日にあんなことが起こるなんて、このときの私は考えもしていなかった。