タイムトラベラー・キス

ゲームセンターにあるUFOキャッチャーの景品には、シロクマ探検隊のぬいぐるみがあった。
シロクマくんやはりねずみさんがあり、サイズも大きいものから小さいものまであった。


「おおお!こんなにもシロクマ探検隊が……」


野々村くんは非常に興奮している様子だった。
それにしても、小さいシロクマくんのぬいぐるみは見覚えがあるかも。


「俺、ちょっとこれやってみてもいい?」


「うん、頑張って」


野々村くんは慣れた手つきでUFOキャッチャーを動かし、あっという間にシロクマのぬいぐるみを獲得した。
1回の挑戦で目当てのものをゲットできるなんて尊敬してしまう。



「野々村くん、すごい!うまいね!」


「大したことないって。……これ、お前にやる」


「えっ、いいの?でも野々村くんがほしかったんでしょ?」


「俺がこれ持っててもに似合わねぇって」


……うん、確かに。
とは口には出せなかった。
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