タイムトラベラー・キス
ジュースを飲みながら、七夕祭りの話をするタイミングをうかがう。
……そろそろ、切り出してみようかと口を開いたとき、野々村くんの声と重なった。
「あのさ、七月七日って空いてる?」
「えっ?私は予定はないけどどうしたの?」
まさか野々村くんから、七月七日について聞かれるとは思っていなかった。
……これが運命というものなのだろうか。
とくん、とくんと胸の鼓動を感じながら、彼の次の言葉を待つ。
「その日さ、毎年どの部活も休みになる日なんだよ。それで、みんな七夕祭りに行くんだけど……良かったら、俺と……」
「行く!絶対に行く!」
私は野々村くんの誘いを二つ返事で受け入れた。
あまりに早い回答に、野々村くんも驚いている。
「実は私も、今日野々村くんを誘おうって思ってたんだ!」
「マジか!……う、運命的だな」
野々村くんは、自分の発言に照れてしまったようで、耳まで赤くなっていた。
まったく、本当に可愛いんだから。