タイムトラベラー・キス

「わー、たくさんの屋台があるね、何食べる?」


久しぶりの七夕祭りということもあり、ウキウキしてしまう。
まずはやっぱりりんご飴やわたがしなど、甘いところから攻めようか。


「あ、あそこにりんご飴があるよ、買ってもいい?」


りんご飴の屋台に向かって、無意識に足が動いていく。


「おい、ちょっと待てって。人が多すぎて危ないだろ」


不意に手を掴まれ、自然と手と手が合わさる。
野々村くんは私の手を引いて、屋台までの道をリードしてくれた。

やばい、ドキドキしすぎて爆発しそう。


「すいません、りんご飴ひとつ」


野々村くんは私にりんご飴を買ってくれた。


「いつものお弁当のお礼な。他にもほしいもの買ってやるから」


「野々村くん、ありがとう」


それから私たちは、いくつかの屋台をめぐって、たこ焼きやわたがしなどを買った。
あっという間に時間は17時30分となり、18時までは残り30分となっていた。

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