タイムトラベラー・キス

「ど、どうして18時になったらキスするんだよ」


「えっと、その……私なりの告白のつもり!お、オッケーだったら、18時にキスして?」


自分でもむちゃくちゃなことを言っていると思う。
野々村くんは手を口にあてて、心を落ち着かせているようだ。

そして、大きく深呼吸して、体を私のほうに向けた。


「……分かったよ。っていうか、お前、俺の気持ち知ってるだろうが」


「うん、知ってる」


「だったら……18時にキスしたら、もうお前は俺のものってことで良いの?」


「うん」


時計を確認すると、18時まではあと5分のところまで来ていた。


……もうすぐで、過去ともお別れ。

ふと、お別れの直前で、高校生の野々村くんに”あること”を聞いてみたいと思った。






< 233 / 276 >

この作品をシェア

pagetop