タイムトラベラー・キス
「ど、どうして18時になったらキスするんだよ」
「えっと、その……私なりの告白のつもり!お、オッケーだったら、18時にキスして?」
自分でもむちゃくちゃなことを言っていると思う。
野々村くんは手を口にあてて、心を落ち着かせているようだ。
そして、大きく深呼吸して、体を私のほうに向けた。
「……分かったよ。っていうか、お前、俺の気持ち知ってるだろうが」
「うん、知ってる」
「だったら……18時にキスしたら、もうお前は俺のものってことで良いの?」
「うん」
時計を確認すると、18時まではあと5分のところまで来ていた。
……もうすぐで、過去ともお別れ。
ふと、お別れの直前で、高校生の野々村くんに”あること”を聞いてみたいと思った。