タイムトラベラー・キス
「それにしても、まさか7月7日に野々村がいないとはなぁ……。17歳の雫には言ってなかったけど、その日は二人がつきあった日で、二人は記念日を大切にしているんだよ。だから絶対大丈夫と思ってたのに……」
理子は水を一口飲み、はぁ、と深い溜息をついた。
「それで、まさかのタイミングで竜見晃から連絡が来たんだね?返事はしたの?」
「いや、まだしてない」
「とりあえず、7月7日の17時くらいに会いましょう、って返事をしておこう」
「えっ……でも、それは……」
大切な婚約者がいるのに、元彼でこの前も手を出されかけた人と密会するわけにはいかない。
でも、理子の目は非常に真剣で、考えなしに話しているわけではないようだった。