タイムトラベラー・キス
自分のまいた種なのに、悲しくて仕方がない。
……もう過去に戻るのに、このままお別れしてしまうのかな。
電車を降り、待ち合わせの場所に行くと、理子らしき人物は来ていなかった。
5分後に小さくて大きなメガネをかけた女の子が、私に近づいてくる。
「雫、お待たせ。軽くカフェでも入る?」
「そうだね、あのお店が空いてそうだね」
理子とカフェに入った時には、時間は16時を過ぎていた。
二人でアイスコーヒーを注文し、これからの話をする。
「予定通り、竜見と会って、18時になったらキスしてもらうように誘導して。私も二人の後をついていくから安心していいよ」
「……分かった。なんとか18時にキスするね」
「雫、元気出して。……昨日、野々村から電話がかかってきて、全て聞いたよ。私からも野々村に説明しておいたから」
「そう、なんだ……」