タイムトラベラー・キス

理子と別れ、竜見くんと待ち合わせの場所へと向かう。
現在、16時55分。運命の18時まで残り1時間ほどとなった。


今までにない緊張が体中を駆け巡る。
竜見くんと久しぶりに会うことへの緊張と、18時にちゃんとキスをすることが出来るのか、という緊張で息がつまりそうだ。


「雫ちゃん、お待たせ!」


そんな私の心境を全く知らない竜見くんは、変わらない綺麗な笑顔を見せていた。


「ひ、久しぶり。……今からどこに行く?」


「雫ちゃんが心配することは何にもないよ。ちゃんといいところ予約してあるから。さ、行こう?」


「う、うん」


私は竜見くんの言われるがままに、その予約してあるお店へと移動した。
そして、10分ほど歩き、竜見くんはきらびやかな建物を目の前にして立ち止った。


「ここだよ、ここの部屋を予約してあるから」


「…………へ?」
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