タイムトラベラー・キス
理子はさらにこう続けた。

「それに、もう起きちゃったことだし、うじうじしたって仕方ないでしょ！プラスに考えて行こうや！」

無邪気な笑顔で親指を立てているその姿を見て、少しだけ怒りがおさまったきがする。
まぁ確かに、信じられないけれど、私は１０年後の未来に来てしまった。
戻るには、三か月間この場所で生きていくしかない。


「……分かった。私は未来の私が何かしらの答えを見つけるのをここで待つよ」


「えらい！さすがは雫、いい女だ！その通り、１７歳の雫は、２７歳の雫の幸せを壊さないように、頑張って２７歳を演じるのだ。もう一通、日常生活に関しての手紙もあるから、じっくり読んどいて。あと今日は、野々村には一日出かけてもらったから安心してな」


理子はその短い手で私の頭をなでなでした。
小っちゃい子供にほめられている気分……。


「分かった、頑張る」


理子からもう一通の手紙を受け取ると、理子は「何かあったら連絡して、悪いけど研究があるからもういくわ」といい、部屋から出て行った。
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