タイムトラベラー・キス

……未来に戻ってから三ヶ月が過ぎ、季節はめっきり秋らしくなった。

太陽の日差しも穏やかになり、いろいろな秋を野々村くんと過ごせるのが楽しみで仕方ない。


野々村くんとの生活は相変わらず幸せで、来年の挙式に向けて少しずつ準備を進めている。


7月7日のことは、落ち着いたあとに理子に詳しい事情を聞いた。
野々村くんが出張にいってしまい、17歳の私はしぶしぶ竜見くんと会う約束をしたこと。


全てを私から聞いた野々村くんは急いで帰ってきてくれ、万が一間に合わなかったときのことを考えて、そのことを私には連絡しなかったこと。

理子と常に連絡をとって、私がどこにいるのか共有してくれていたこと。


私の知らないところで、二人が協力してくれていたことが嬉しかった。

迷惑をかけてしまって申し訳なかったけれど。

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