タイムトラベラー・キス
あいつとの同棲生活。

あいつとの夜ご飯。

もう一通の手紙にはこのようなことが書いてあった。

27歳の私は同棲をきっかけに実家から東京に引っ越したということ。
その時に仕事をやめて、現在は失業保険をもらっているということ。

東京の知り合いはあまりおらず、一番の頼りは幼馴染の理子。

野々村のことはずっと名字で呼んでいたけど、「そろそろ下の名前で呼んで」と言われている。
また、好きなおかずは鶏のから揚げとハンバーグ。


「お子様かよ」


と独り言をつぶやいてみる。


「あとは……4月7日は理子が家に泊まると嘘をついて、野々村には出かけてもらった、か」


出掛ける時間を調整して、うまく15時40分にキスするようにしたのか。
それにしても、どうしてタイムトラベルするきっかけが”キス”なのかな。
キスする相手は誰でもいいのだろうか。

7月までに理子に確認しておこう。
今日はもう、頭がパンクして倒れちゃいそう。




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