タイムトラベラー・キス

「と、とりあえず化粧したみたほうがいいかな、昨日もしてたし」


包丁をまな板の上に置き、エプロンをつけたまま寝室に向かう。確か化粧道具は寝室にあったはずだ。
化粧ポーチを開け、高そうなファンデーションを手に取ったとき、玄関でガチャ、という音が聞こえた。


やばっ。
もしかして……もう帰ってきた?!

小走りで玄関に向かうと、そこにはやはり……


「ただいま」


……大人になった、野々村雪がいた。

やばい。帰ってくることは分かっていたのに、いざ本人を目の前にすると体が固まってしまう。

本当に、三ヶ月間こいつと一緒に暮らすの……?
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