タイムトラベラー・キス

「ん?どうしたぼおっとして。しかも化粧品なんかもって。出掛ける予定?」


「え?あ、いや、その辺に落ちてたからポーチに戻そうかなって」


「そっか。出掛けないんだったら部屋着に着替えれば?」


「そ、そうね。料理で汚れそうだしね」


野々村との会話で、少しだけ日常生活が見えた気がする。
家ではすっぴん、部屋着。これだ。
ファンデーションも片付けよう。

野々村も部屋着に着替えるため、クローゼットのある寝室に向かったようだ。寝室の扉が全開になっている。


私も部屋着を出して、野々村のあとに脱衣場にいこう。
そう考えながら寝室にはいると、野々村のおっきい背中が目に入った。
< 35 / 276 >

この作品をシェア

pagetop