タイムトラベラー・キス
「は、はだ……はだ……」

「ん?」

野々村は、ネイビーのロンTを脱いでるところで、上半身裸の状態でこちらを見ている。

やだ、何照れてるの私。
不意打ちとはいえ、野々村の裸なんて見て動揺するなんて……不覚。


「雫、顔真っ赤だけど」


「や、なんか体がぽおっとしてさ、疲れてるのかな、あはは」


「浅野とはしゃぎすぎたのか?アラサーなんだから無理すんなって」


デリカシーのない言葉にカチンとくる。
私がアラサーだったら、あんただってアラサーじゃん。
彼女にそんなこと言うなんて信じらんない。

やっぱりこいつ、嫌い……。
下を向いてむっとした顔を隠すので精一杯だった。


「ごめん、むくれんなって」
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