タイムトラベラー・キス
野々村の手は躊躇なく私に近づいて、その指であごをくいっとあげる。

そして、顔を私に近づけ、自分のおでこを私のおでこにピタッとくっつけた。

やだ、近すぎだし……!思わず目を閉じてしまう。


「特に熱は無さそうだな」


そう言って、野々村は私の顔から離れていった。
正直、キスされると思った……。

「疲れてるなら、俺が代わりに料理するけど」


野々村はすごく穏やかに微笑んでいる。
こんな野々村の顔、見たことないよ……。
17歳のやつはまだ子供だから、こんな風に笑わないのかな。


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