タイムトラベラー・キス
ブラのホックに触れていた指の動きが止まる。
そして静かに、彼の腕は私の服からするりと抜けた。

そして、私の肩をつかみ、私を体から引き離すと、


「なんかお前……今日変だよ」


怪訝そうな顔をして、私をじっと見つめていた。



その顔を見て、あの手紙の一文の重要さに気がついた。

お風呂に入ろう、と言われて断って。
ブラをいつもつけて寝ないのに、今日はつけていて。
ブラを外されるのを断った。


こんなことを一度にされたら、いつもと様子が違うって思うのも当然だ。
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