タイムトラベラー・キス
竜見くんと一緒に階段を下る。
竜見くんも背が高くて手足が長い。女の子より綺麗な肌と、吸い込まれそうなほどの大きな瞳。整った顔は男性アイドルにいてもおかしくないほどにかっこいい。


「きゃっ竜見くんよ!!」


そんな超絶イケメンな竜見くんは学校でも有名人。
男女ともに、彼の名前を知らない人はいないと思う。
そんな彼の隣には、どこからどうみても普通なルックスの私。


「彼女全然可愛くないのにね……」
「エッチが相当うまいんじゃない?大人しそうなのにね」


周りがこそこそ話しているのは分かっている。
先月からこういうことは日常茶飯事だ。
直接ケンカを売ってこられたことはまだないけれど、それでも私はこの恋を手放したくはない。
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