タイムトラベラー・キス
服まで買いにきておいて、いまだに同窓会に行ってもいいのかという葛藤がある。

もう幹事の青木さんには出席の連絡をしてしまったけど。
野々村に優しくされる度に気持ちが揺らいでしまう。

でも、やっぱり行かない、とも言えずに今日まで来てしまったのだけど。


「同窓会っていっても、一クラスだけで堅苦しいもんでもないし、きれい目のワンピースとかどうだ?ほら、こんなやつ」


野々村が私に薦めてくれたのは、黒がベースで、所々に白のラインが入ったレトロな形のワンピース。

この男、なかなかファッションセンスがいいらしい。


「わ~、大人可愛い!」

「だろ。家にあるジャケットを羽織っても合いそうだしな。試着してみる?」

「うん、ちょっと行ってくるね」
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