タイムトラベラー・キス
顔を赤らめて、拗ねたような表情をする野々村がかわいく見える。
……それにしても、普通に褒められるより嬉しいのが不思議だった。
「でもこのワンピース、私もとても気に入ってるの。雪が選んでくれたものだから、これがいいな」
「うん、ナシって言ったのは冗談だから。気に入ってたなら、それにするか」
「ありがとう、嬉しい」
初めて男の人に服を選んでもらって、買ってもらっちゃった。
27歳の私はいつも服を選んでもらっているのだろうか。
それにしてもさっき、“他の男に見せたくない”って言ってたけど……やっぱり、同窓会に行くのが心配なのかな。
未来の私はそれを知っているから、行かないことにしたのかな。
少し前を歩く野々村の背中に向かって、心のなかでごめんね、と呟いた。
……それにしても、普通に褒められるより嬉しいのが不思議だった。
「でもこのワンピース、私もとても気に入ってるの。雪が選んでくれたものだから、これがいいな」
「うん、ナシって言ったのは冗談だから。気に入ってたなら、それにするか」
「ありがとう、嬉しい」
初めて男の人に服を選んでもらって、買ってもらっちゃった。
27歳の私はいつも服を選んでもらっているのだろうか。
それにしてもさっき、“他の男に見せたくない”って言ってたけど……やっぱり、同窓会に行くのが心配なのかな。
未来の私はそれを知っているから、行かないことにしたのかな。
少し前を歩く野々村の背中に向かって、心のなかでごめんね、と呟いた。