タイムトラベラー・キス
校門を出て二人で駅へと歩いていく。
自然と竜見くんは車道側を歩いてくれる。そんな些細なことが嬉しい。


「久しぶりに雫ちゃんのセーラ服姿見たけど、やっぱカワイイなー」

紺色の襟に三本線が入ったセーラー服。リボンは小豆色という地味さだけど、今この瞬間、制服が大好きになったよ。


「た、竜見くんの学ラン姿もカッコいいよ」

「そうかな?ありがと」


アッシュ色の髪は春風にさらさらと揺れて、ちらりと見える耳元には黒のピアスが光っている。


「お昼は映画館近くのパスタ屋さんでも行く?おいしいんだって」

「あっ、私もそのお店が気になっていたの」



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