タイムトラベラー・キス
そして、次の日。

昨夜はお母さんの手料理をいっぱい食べ、久しぶりの家のお風呂でゆっくり疲れを落としてぐっすりと眠った。
今日はとうとう高校一年生の時のクラス会だ。

夕方になり、新しい黒のワンピースに袖を通し、丁寧に髪の毛のパーマを活かしてウェーブを作る。
念入りにメイクをして、気合の入った私の完成だ。
未来の私のためにも、綺麗な私でクラス会に参加しないとね。


「お母さん、いってくるね」

「いってらっしゃい、帰りは気を付けるんだよ」

「はーい」


履きなれないパンプスをはき、駅までの道をゆっくり歩く。
一応バッグの中に絆創膏をいれてあるけれど、靴擦れが心配だ。
でもそれよりも今日はおしゃれのほうが大事だ。


電車に20分くらい乗り、降りた駅すぐのホテルがクラス会の会場だ。
歴史あるホテルの中にある、カジュアルイタリアンのお店を貸し切っているらしい。


お店の中に入ると、幹事が受付を行っていた。
女子側の幹事である青木さんに声をかける。


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