タイムトラベラー・キス

そして向かいに座ったのは、あまり関わりのなかった男子二人。
これは、両隣にいる女の子と話したほうが盛り上がるかもしれない。
……そのほうが、野々村も安心するだろう。


……開始時刻になり、幹事の青木さんと伊藤くんが挨拶をする。


「みなさん、お久り振りです。今日は集まってくれてどうもありがとう。席は自由に移動しても構いません。
また、二次会も予定してますのでよかったら参加してください。それでは……かんぱーい」


伊藤くんの乾杯の音頭に合わせて、ところどころでグラスを合わせる音が聞こえた。
皆はビールを飲んでいるけど、私はウーロン茶を注文。
一応、心は未成年なので。


乾杯が落ち着いたところで、室内を見渡すと、特に容姿の目立つ人物はいなかった。

……竜見くん、来ていない?
あるいは、劣化して見つけることができないのだろうか。
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