タイムトラベラー・キス
「私は明日朝早くて二次会参加できないから、帰るね」
「えー、残念。でも仕方ないね、野々村くんに宜しくね!」
幹事が二次会の出欠や場所の連絡をしている間に、私はそそくさとレストランを出ようとした。
すると、お店の入り口あたりで竜見くんやほかの男子たちと遭遇する。
竜見くんと目が合い、胸の鼓動が急にうるさくなる。
「あれ、雫ちゃん、二次会にはいかないの?」
「うん、一次会で帰るつもり」
「そうなんだ、俺ももう帰ろうと思ってるんだよね。車で来ちゃってお酒が飲めないからさ。そうだ、車で送って行ってあげるよ」
そっか、この時代の竜見くんは運転できるんだ。27歳にとっては普通のことなんだろうけど、とっても大人に感じるよ。
でも、婚約者のいる私が、元彼の車に二人きりで乗るっていうのは浮気にはならないのかな。
そんな環境に置かれたことはないけど、なんとなくいけないような気がする。