知られてはいけない
慎也「静かにしてください。い、いい加減・・・静かにできねぇのか、餓鬼がぁ!」





・・・・・・ん?ん?え、今の誰?
最初は山南先生の声だったのにな、途中から別人になったんだけど?





すっごく低い声だったけど?
一瞬で静かになったんだけど?・・・・





さっきまでの自分を正してあげたい
そしたら、こんなにショックを感じることも、驚くこともなかったはずだから・・・





何が”か弱い僕僕いってそうな人”、だ


バリバリ不良なみだったじゃないか・・・





・・・あれか、二重人格的なやつか





慎也「・・・今日は、このクラスに、転校生がいます。
では秋山さん、入っていいですよ」





・・・それになんか、静かすぎて入りずらいのだけど
山南先生は普通になってるし・・・
・・・普通って言い方はおかしいかな?
やっぱり二重人格が一番合う気がする





・・・まあ、どうでもいい
呼ばれたんだから、早くしないと・・・





意をけしてドアを開けた瞬間、私に集まる生徒達の視線
その視線を感じながらも、生徒達を視界に入れないように俯きながら
山南先生の元へ向かう





慎也「・・・じゃあ、自己紹介をしてから、あそこの席に座ってね?」





”あそこ”と、先生が指したのは教室の一番後ろの席





・・・まあ、その席を見るために今までうつむいていた顔を上げるわけで、





そしたら、自然に生徒達も視界に入ってくるわけで・・・





何故かその瞬間、猛烈に現実逃避したくなった



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