殺戮都市~バベル~
俺と名鳥、少し離れている二人への同時に攻撃。


丁度日本刀を振り下ろしている俺は、何とか防御する事が可能だけど、名鳥はと言うと……。








「だからさ、そういうのをバカの一つ覚えって言うんだよ」






何度も同じ攻撃を見たのだろう。


槍の柄を、鞭の下方向から打ち付けると、名鳥の目の前で鞭が大きく軌道を変えたのだ。


それは、俺の頭上を通り過ぎ、日本刀で防御する必要もなくなった。


……そうか。


俺達は今の今まで、戦い方を間違っていたかもしれない。


この松田という強者を前にして、動きを封じる事だけを考えていたけど……そうじゃない!


「名鳥さん!俺が鞭をやります!」


俺の言葉の意味を理解してくれたのか、名鳥がフッと笑って口を開いた。


「俺と同じ事を考えてるじゃないの。説明する手間が省けて助かったぜ」


名鳥も同じ考えだった。


松田と鞭。


普通に考えれば、武器を持っている松田と戦っているという感覚なんだけど、こいつに限っては違う。


なんと言うか……それぞれが独立した強さを持っているような感じがしたから。


名鳥が松田と、俺が鞭と戦う事で、ようやく二対二に持ち込めたような気がする。
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