殺戮都市~バベル~
「鞭をやる?とことん気に食わないやつだよキミは!」


怒りを感じる言葉を吐いて、上空に舞った鞭を、俺に叩き付ける。


その軌道の先には名鳥。


俺が回避すれば、名鳥に直撃してしまう。


鞭をやると言ったものの、この角度の攻撃をどう防げば良い!?


色んな状況が、瞬時に頭の中を駆け巡る。


そして、最善の策ではないにしろ、辿り着いた一つの答え。


「ここだっ!!」


俺は、上空から振り下ろされた鞭に向かって、日本刀と鞘を同時に振り下ろした。


斜め上からの攻撃を、下に叩き付ける。


鞭の軌道が変わり、その先端が暴れるようにして俺の身体の左側をかすめた。


服を、皮膚を切り裂き、痛みが走る。


でも、これで終わりじゃないっ!


素早く日本刀と鞘を鞭に絡めて、引っ張っても解けないように。


「ナイスだ、真治君!」


鞭を固定されて、思うように動かせなくなった松田に、名鳥が迫る。


「この程度……なんだと言うんだ!!」


名鳥の攻撃を防ごうと、松田が強引に鞭を引く。


俺が引っ張って、ピンと伸びた鞭で器用に攻撃を防ぐ松田。


だけど……俺の狙いはそれだけじゃない!
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