殺戮都市～バベル～
「今だっ！神谷さんっ！」


「おうっ！任せやがれ！！」


松田が引く力に負けないよう、踏ん張って耐える。


その間、名鳥が攻め立てるけど……鞭を押さえられているのに、攻撃を防ぐ松田はさすがとしか言いようがない。


でも……これで終わりだ！


物凄い形相の神谷が俺に迫る。


ウォーハンマーを振りかざして。


名鳥が攻撃を仕掛けている間は、絶対に鞭を放す事がないとわかっているからこそ生まれたチャンス。


もしも鞭を放せば……その瞬間、名鳥の速度に付いて行けず、大ダメージを負う事になるから。


腕を斬られると同時に左手で鞭を引き抜いたさっきとは、状況がまるで違うのだ。


「うおおおおおおおおおっ！食らえや！俺の魂の一撃！」


鬼か化け物かといった表情を浮かべて、神谷がウォーハンマーを振り下ろした！


それが、俺の日本刀と鞘に巻き付いた鞭に迫る！


何かするつもりだと、松田が気付いたのか、慌てて鞭を引くけど……俺も歯を食いしばり、必死に耐えた。


そして……。












ドゴオオオオン！！










と、激しい音と共にウォーハンマーが床に叩き付けられて、体育館を振動させたのだ。
< 1,094 / 1,451 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop