殺戮都市~バベル~
ウォーハンマーが鞭を捉える直前、日本刀と鞘から手を放した俺は、床とウォーハンマーに挟まれた鞭に目をやった。


ウエポンブレイク……武器破壊の為だけの攻撃だからか、いつものように地面が……床が陥没するような事はないようだ。


それでも相当な振動ではあったけど。


いや、それよりも鞭はどうなった!?


今のが成功していれば……。


そう期待して、見つめた鞭。


神谷がゆっくりとウォーハンマーを上げると……。















どこも破壊された様子のない鞭が出て来たのだ。


「言いにくいんだが……失敗だな、こりゃ」


「言わなくてもわかるよ!」


それを見た松田が、素早く鞭を引く。


せっかく攻撃を封じていたのに、それすらも無駄になってしまった。


「何をするかと思えば……貴様ごときが俺の武器を破壊出来ると思ったか!どれだけレベルが違うかまだわからないのか!」


「くそっ、もう一回だ。坊主、また動きを止めてくれ。次こそは必ず成功させるからよ」


鞭が自由になり、再び名鳥との戦いに戻った松田。


神谷は本当にウエポンブレイクなんて出来るのか、根本的な疑問が浮上して来たぞ。
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