殺戮都市~バベル~
「うぐっ!」


「ハァ……ハァ……俺に勝てる者など存在しない!俺がこの街で一番強いんだ!」


名鳥の足元で跳ねた鞭が、不規則な動きを見せて、名鳥の脚に直撃した。


左足首から下を吹っ飛ばされて、バランスを崩して床に倒れる名鳥。


「こりゃまいったね……でも、負けるわけにはいかないんだよ!」


倒れると同時に、脚を回して素早く体勢を整え、名鳥は肩膝を付いて身体を起こした。


そんな名鳥から距離を取り、肩で息をする松田に……俺は飛び掛かった。


「バカめ!気付いていないと思ったか!死ねっ!」


そんな俺に、松田が鞭を振るう。


追い詰められれば追い詰められるほど、動きが単調になって行く。


その時に、いかに予測不能な動きが出来るかが勝負だ!


渾身の力を込めて振り抜かれた松田の鞭。


それを日本刀で迎え撃つ!


鞭と、鞘に納まった日本刀が接触した瞬間。










俺は、鞘を右足で踏み付け、日本刀を抜くと同時に、鞘を蹴って鞭の上に飛んだ。


伸びていた左脚が……鞭の餌食となり、切断されてしまったけど、問題はない!


「バカな!さらに飛んだだと!?」


空中にいる俺を迎え撃とうと、松田が鞭を振るタイミングをはかっていたその時。










「やれっ!神谷!」








恵梨香さんが、床に垂れた鞭をトンファーで押さえ付けて、神谷がそこに向かってウォーハンマーを振り下ろしていたのだ。
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