殺戮都市~バベル~
「武器レベルが半分って事は、レベル50だろ?だったら、俺達のスピードに付いて来られるはずがないんだよな」


散弾銃を構えて、名鳥がニヤリと笑う。


「ああああああああああああああっ!あ、脚が、脚がああああああああああああああっ!」


床の上を転がり、悶える松田。


俺は日本刀を手の中で回転させ、逆手に持つと、狙いを定めて着地姿勢に入った。


狙う場所は……松田のズボンのポケット。


PBM!









そして、俺の日本刀が、着地と共に松田のポケットのPBMを貫いた。


バチッという、小さな音が聞こえて……PBMが破壊されたのだと言うのがわかった。


松田に……この街で一番強い男に勝ったというのに、俺には嬉しいといった感情が湧かなかった。






勝った……そう思った瞬間、身体に衝撃が走ったから。








「まさか……俺が負けるとは。だが、最後に……油断したな」


松田のPBMを破壊する事だけを考えて、それだけに集中した俺は……最後に松田が振るった鞭の直撃を食らっていた。


鞭が胸を横に分断して、俺は松田に重なるように崩れ落ちたのだ。


「少年!達也、貴様っ!!」


恵梨香さんの声が……ドンッという衝撃が、俺には伝わる。


最後の最後で気を抜いて、武器レベルが半分になったからって油断してしてしまった俺が悪いんだよな。


武器レベル50なんて、それでも強いんだから。


松田のPBMを破壊出来たってのに、なんだか締まらないなと考えながら……俺は死んで、光の粒に包まれた。
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