殺戮都市~バベル~
この声……バーコードのおっさんか?


「少年、もうすぐ侵攻だ。あまり長話はするなよ?」


恵梨香さんに頷いて、俺はバーコードの呼び掛けに答えた。


「おっさん、戦闘が始まったら建物の中から出ちゃダメだ。巻き添えを食らわないように、北軍の人間と、その周りにいる他軍の人間には手を出すなって、仲間に伝えた方が良い」


何をしようとしているか……それを詳しく言うわけにはいかないけど、俺が思っているよりも、おっさんは鋭かった。


『北軍……もしかして真治君、キミ達は、黒井を倒そうとしているのかい?もしもそうなら、わしらにも協力させてくれ!あ、違うのなら今の話は聞かなかった事に……』


その言葉は、俺達にとってはかなりありがたい物だった。


南軍の人間が味方にいるというのは、大きな助けになるはずだから。


「使える物は使った方が良いわね。陽動にもなるし、敵だと思っていた人達が味方になるのは大きいわ」


「うむ、狩野の言う事に異論はない。少年、そのおっさんはどれくらいの戦力を集められる?囮は、派手なほど効果が大きいからな」


おっさんの部隊はそんなに多くなかったけど、他にも反抗グループがあるとか言っていたような気がするな。
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