殺戮都市~バベル~
荒獅子と黒狼
ビルからビルへと飛び移るのは……随分久しぶりに思える。
ジャンプに集中していないと、すぐにでもバランスを崩して落ちてしまいそうな感覚は変わらない。
着地の瞬間、どうしても凄い衝撃が足に加わると、構えてしまうけど……普通に走っていると変わらない程度の衝撃しかなくて、拍子抜けする。
ビルの屋上から屋上。
夜の街を飛び回る俺達に気付く人間はそうそういないだろう。
「前方に人影。狙撃手ね。結構広範囲に渡って配置されてるわ。どうする?」
え?そんな人影、どこに見えるんだ?
光が少しはあるとは言え、よくこんな暗い中でそんな事がわかるな。
「放っておいても良いが、騒がれると厄介だ。先行してやれるか?」
恵梨香さんがそう尋ねると、狩野は「ええ」と呟き、さらに速度を上げて、その人影へと近付いた。
接近してようやくわかった腕の赤い光。
それが、横一列に不規則な間隔で並んでいたのだ。
俺よりも前に出た狩野が、隣のビルに飛び移る為に大きく飛び上がった。
それは、ただ飛び移るだけにしては大きなジャンプ。
しかし、その動作の意味を、俺は次の瞬間知る事となる。
ジャンプに集中していないと、すぐにでもバランスを崩して落ちてしまいそうな感覚は変わらない。
着地の瞬間、どうしても凄い衝撃が足に加わると、構えてしまうけど……普通に走っていると変わらない程度の衝撃しかなくて、拍子抜けする。
ビルの屋上から屋上。
夜の街を飛び回る俺達に気付く人間はそうそういないだろう。
「前方に人影。狙撃手ね。結構広範囲に渡って配置されてるわ。どうする?」
え?そんな人影、どこに見えるんだ?
光が少しはあるとは言え、よくこんな暗い中でそんな事がわかるな。
「放っておいても良いが、騒がれると厄介だ。先行してやれるか?」
恵梨香さんがそう尋ねると、狩野は「ええ」と呟き、さらに速度を上げて、その人影へと近付いた。
接近してようやくわかった腕の赤い光。
それが、横一列に不規則な間隔で並んでいたのだ。
俺よりも前に出た狩野が、隣のビルに飛び移る為に大きく飛び上がった。
それは、ただ飛び移るだけにしては大きなジャンプ。
しかし、その動作の意味を、俺は次の瞬間知る事となる。