殺戮都市~バベル~
狩野は動きが美しくて、身体の使い方を知っているような感じだ。


俺にはそんな芸当は出来ないし、強引に身体を動かす事しか出来ない。


言わば柔と剛。


静と動というほど違う。


何度か飛び移って、どれくらいの力で蹴れば、どれくらい跳べるのかというのもわかった。


狙うは……対面にいるやつ!


数人が俺に気付いたみたいだけど、迎撃よりも俺の方が速い!


着地地点にいるやつが、武器を構えるその前に、俺は男の肩を踏み付け、その胸に日本刀を突き刺した。


蹴飛ばされ、後方に弾かれて転がる男。


思い切り蹴飛ばしたおかげで、勢い余って通り過ぎる事もなく、丁度良い場所に着地する事が出来た。


俺の両脇にいる男女に日本刀を振り、その命を絶つ。


こっち側にいるやつを全員やらなければならないのか……ちょっと時間が掛かるな。


そうは言っても、恐らく1分もあれば片付くだろうけど、南軍の人間を俺が殺すと言うのはどうも気が引ける。


腕に布が巻かれている人はいないか確認して……俺は、日本刀を握り締めて、並んだ人達の後ろを走り出した。


俺が通り過ぎるたび、日本刀で斬り裂かれた人達が次々と倒れて行く。
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