殺戮都市~バベル~
大通りに面したビルの、屋上から狙撃を行う人達。


とりあえず、この付近にいるやつらを一通り排除した頃に、一斉に光の粒が舞い上がり、ビルの屋上を明るく染めた。


地上では、東軍が南軍に攻め入り、本格的な戦闘が開始されたようで、これから注意は地上の東軍に向くだろう。


「少々派手に動きすぎだが、まあ良いだろう。我々はこのまま移動を続けるぞ」


恵梨香さんが俺に駆け寄り、大通りの向こう側のビルから、こちらに飛んで来た狩野と合流して、再び移動する事に。


それにしても……狩野はやっぱり凄いな。


あれだけ人を斬ったのに、返り血を殆ど浴びていないのだから。


俺なんて……身体の左半分が結構血塗れになってるって言うのに。


「大丈夫?怪我してない?」


狩野に心配までされる始末だよ。


「狩野は前に集中しろ。少年は大丈夫だ。腕がもげても、脚が千切れても、根性でどうにかする」


無茶苦茶な事を言ってるよ。


だけど、前に黒井と戦った時は本当にそんな感じだったし、何も反論出来ないのが辛い。


「そう。それは頼もしいわね」


狩野までそんな皮肉を……。


中心地はまだ遠い。


黒井と戦うまでに、少しでも強くなっておきたいけど、敵が南軍ではそれも出来ないんだよな。
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