殺戮都市~バベル~
「……あんた、何してんだよ」
黒井を罵るだけでなく、既に死亡している人間をまだ戦わせようとしているこの女に、俺は日本刀を向けた。
「はぁ!?あんたを殺そうとしてるに決まってんでしょ!ここに来てからあんたは私の邪魔ばかり!なんであんたみたいなやつが生きてるのよっ!こいつが動けないなら、私が殺してやる!」
半狂乱でわめきたて、ボウガンを取り出した明美さん。
引き金に指を掛けようとしたけど……俺はそれより速く刃を返し、下からボウガンを斬り上げて真っ二つにした。
「あんたは……それでも人間かよ!!あんたの為に周りの人間は生きてるんじゃないんだよ!あんたは悪だ!人の人生を狂わせる悪魔だ!二度と生き返らないように、俺が殺してやるっ!!」
左側のズボンのポケット。
そこにある長方形の膨らみ目掛けて、俺は日本刀を振り下ろした。
凄まじい切れ味の刃が、明美さんのPBMごと左脚を斬り裂く。
それだけでは終わらない!
怒りに任せて振るい続けた日本刀。
それを下ろしても、明美さんの姿は原型をとどめたままで。
俺が武器を放すと、バラバラに切断された明美さんの肉片が、目の前に崩れ落ちたのだ。