殺戮都市~バベル~
「僕達はさ、不安なんだよね。本当に真治君を信じて良いのかってさ。黒井さんははっきりしてたよ?他軍の人間より強くなって、キングを破壊すれば元の世界に戻れるって。それはヘルプにも載ってる、唯一確実な方法だからね。だから答えて欲しいんだよ」


月森も同じ考えのようで、菅の言葉に頷いた。


バベルの塔の頂上……希望の先。


こんな時に何て言えば言いか、どうしたら人の神経を逆撫でせずに丸く収める事が出来るのか、俺にはわからない。


そんな俺が、悩んで出した答えは。










「すみません、わかりません。そうなった時どうするかなんて、その時にならないと考えられないです」










俺の言葉に、三人は呆気に取られたみたいで、ポカンと口を開けたままこちらを見ている。


「……ちょ、ちょっと待ってよ!それは無責任じゃない!?この街の人を巻き込んで、バベルの塔に行こうとしてるんでしょ!?わからないって、そんな説明で皆が納得すると思ってるの!?」


そんな中で、真っ先に口を開いたのは月森。


「あ、いや……塔に行く理由はちゃんとありますよ?ただ、行ってみようってだけじゃないですから」


物凄い剣幕で迫る月森に、俺は慌てて弁解した。
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