殺戮都市~バベル~
高山真治……クイーンとの戦いで、私と恵梨香が全てを託した少年。


だけど私も、少年がどこにいるかなんて知らなくて、力にはなれそうになかった。


「わかんないなー。でも待って、姉ちゃんにも訊いてみるから。あ、でも、仕事が終わってからね。それまでどこかで時間を潰してて」


「ああ、仕事は何時までなんだ?その時間になったらまたここに来るけど」


「じゃあ、後三時間。そこのファミレスにでもいてよ」


黒井にそう言って、私は仕事に戻った。


恵梨香が……少年の居場所を探しいる。


私は少年に特別な感情を持っているわけじゃないけど、一度会って、お礼が言いたい。


だから、どこにいるかわからない少年を探すというのは大変そうだけど、なんだか楽しそうでワクワクする。









早く仕事が終われと時計を気にしながら、ゆっくりと三時間が経過した。


店の前には約束通り黒井が待っていて、私は店を飛び出して声を掛ける。


「お待たせー!で、恵梨香は今どこにいるの?会ったなら、連絡先くらい交換してるんでしょ?」


「ああ、まあね。一応連絡しといたから、もうすぐ来ると思うけど……とりあえず、ファミレスに入って待ってるか」

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