殺戮都市~バベル~
その後、何とか姉ちゃんの誤解を解いた私は、話の本題に。


『真治がどこに住んでるかは知らないけどさ、制服を調べれば結構絞れるんじゃない?まあ、学ランなんてどこにでもありそうだけどさ』


「そうなんだよねー。なんか他に情報なかったかな?校章とか、出身地言ってたとか」


姉ちゃんと話しながら、チラチラと黒井を見るけど、ぼんやりと店の外を眺めているだけで、こちらの話を聞いているのかいないのか。


なんか、こういうの腹立つな。


ちょっと文句の一つも言ってやろうと思ったその時。


ファミレスの駐車場に、派手な音を立てて入って来る一台の車が見えたのだ。


あまりの煩さに、店の中にいる誰もが外を見るほど。


そして、その車が止まり、中から現れたのは……恵梨香と名鳥だった。


「お、来た来た。名鳥も一緒とは思わなかったな。北条のやつ、どうやって見付けて来るんだか」


恵梨香と名鳥が来たなら、やる気のなさそうな黒井に訊く必要はないかな。


あの二人なら、黒井よりも少年の事を良く知ってそうだし、色んな情報が出てくるかもしれないから。


「姉ちゃん、恵梨香と名鳥が来たから、ちょっとそのまま待っててよ」


私は店の入り口を見て、二人がやって来るのを待った。
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