殺戮都市~バベル~
弱肉強食
意識が……緩やかに覚醒して行く。


まずは頭、そして首から下へと、感覚が戻って行くような。


俺が目を覚ますと、そこは拠点のソファで……身体を起こして室内を見回したけど、新崎さんの姿も、明美さんの姿もなかった。


「いてっ……くそっ!何だったんだよあれは」


沼沢の攻撃が見えなくて、気付いた時にはもう死んでいた。


黒井と死神の戦いも、遠目で見ていて目で捉え切れない動きはあったけど……あいつもそのレベルだって言うのか。


今のままじゃ勝てない。


俺の動きを完全に見切られて、かすり傷一つ付けられずに、何をされたのかすらわからずに殺されたんだから。


唯一の救いは……この場に誰もいない事か。


もしも明美さんがいたら、奈央さんがいない事でボロカスに言われるに違いないから。


奈央さんを西軍に残して、俺はあっさりと殺されて帰って来た。


死神が言った、「一人でポーンを倒す」という条件すら満たせない。


強くなったと思っていただけで、仲間を守る事すら出来ないじゃないか!


「これじゃあダメだ。ソウルの数は……22個か」


PBMで武器を見ると、日本刀のレベルは7。


あの沼沢ってやつは、どれだけのレベルなんだろう。
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