殺戮都市~バベル~
……?


里奈さんが俺に何の用だろう?


手招きをして、部屋の隅にあるデスクの方に歩いて行く里奈さん。


ソファから立ち上がり、その後に付いて行く。


「どうしたんですか?皆に聞かれたくない話ですか?」


そうだとまずいと思っい、一応気を使って、小声で話してみる。


「別にそういう話しじゃないんだけど……ほら、真治君がやられてからの事を知りたいんじゃないかと思ってさ」


ああ、少しは聞いたけど、詳しくは知らないな。


「俺が沼沢に負けて、奈央さんが連れ去られる時に、里奈さんが付いて行ってくれたんですよね?俺が来るまで手を出さないように見張る為に。すみません……なんか、巻き込んでしまって」


「あ、違うの!確かに結果だけ見たらそうなんだけど……本当はね、皆で話し合ってそうするって決めたんだ。真治君と奈央さんがここに入った事が知られたからってね」












……え?


ちょ、ちょっと待って。


どういう事なんだ?


てっきり奈央さんは連れ去られたとばかり……雪子さんだってそう言ってたし。


あ、でも、思えば妙な所もあったな。


吹雪さんがやられた時以外、俺の戦闘には手を貸してくれなかったし……何となくだけど、ここに西軍の人間が押し寄せる事も知っていたように思える。
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