殺戮都市~バベル~
その話は雪子さんから聞いた。
だけどそれなら、俺にも話してくれれば良かったのに。
沼沢と戦い始めてから、奈央さんを大切に想っているんだって事がわかった。
でも……その時にはもうお互いに本気で、退けなくなっていたんだ。
「だから、沼沢は奈央さんに手を出さなかった……違うね。出せなかったんだよ。あの人、口では強く言ってるけど、女の子に大しては凄く奥手で繊細なの。手を握る事も出来ないんだから」
……俺以上に恋愛に対してチキンだな。
「雪子さんはどうして話してくれなかったんですかね?言ってくれれば、無駄に争う事もなかったかもしれないのに」
「それだよね。真治君は優しいから、事情を知れば沼沢と戦わないかもしれないでしょ?もしも戦ったとしても、本気では戦えなくなるかもしれないし」
戦わなくて済むなら、それで良いじゃないか。
何としてでも俺と沼沢を戦わせようとしているように思えて仕方がないよ。
「真治君に足りないのは、本当に強い人との戦闘経験。それも、負ける可能性が高い相手との、絶対に逃げられない戦いだって雪子さんが言ってた。負ければ奈央さんを奪われるんだもの。沼沢も本気になるよね」
だけどそれなら、俺にも話してくれれば良かったのに。
沼沢と戦い始めてから、奈央さんを大切に想っているんだって事がわかった。
でも……その時にはもうお互いに本気で、退けなくなっていたんだ。
「だから、沼沢は奈央さんに手を出さなかった……違うね。出せなかったんだよ。あの人、口では強く言ってるけど、女の子に大しては凄く奥手で繊細なの。手を握る事も出来ないんだから」
……俺以上に恋愛に対してチキンだな。
「雪子さんはどうして話してくれなかったんですかね?言ってくれれば、無駄に争う事もなかったかもしれないのに」
「それだよね。真治君は優しいから、事情を知れば沼沢と戦わないかもしれないでしょ?もしも戦ったとしても、本気では戦えなくなるかもしれないし」
戦わなくて済むなら、それで良いじゃないか。
何としてでも俺と沼沢を戦わせようとしているように思えて仕方がないよ。
「真治君に足りないのは、本当に強い人との戦闘経験。それも、負ける可能性が高い相手との、絶対に逃げられない戦いだって雪子さんが言ってた。負ければ奈央さんを奪われるんだもの。沼沢も本気になるよね」